児童一人一人の良さを認め、大切にし、

                            伸ばす学校を目指して

                ときがわ町立玉川小学校

一はじめに

  本校は明治六年に開校し、本年度で百四十五年目を迎える歴史と伝統のある学校である。また、平成十八年二月一日に都幾川村と玉川村が合併してときがわ町となった。ときがわ町は埼玉県西部に位置し、東秩父山地を源流とする清流都幾川が町の中央を流れる自然豊かな「木の町」である。また、国宝を保有する歴史ある寺、慈光寺をはじめ、中世の貴重な遺跡である小倉城址が残る歴史ある町でもある。

 合併当時は、児童数二百七十九名十三学級だったが、現在は、二百十五名十一学級である。新入児童は、隣の玉川保育園からほとんど就学しており、近隣の玉川中学校への進学は、玉川小学校のみで、保・小・中一貫校的な存在となっている。

 施設的には、「ひとと自然の優しさにふれる町、ときがわ」のスローガンを受けて、学校の耐震化とともに内装木質化が進んでいる。平成十二年には、校舎内の木質化を、そして、平成二十三年には、体育館の耐震化とともに内装の木質化が終了し、子供達は、木の机と相まって、木の温かさに包まれて日々生活することができている。平成二十五年度夏には、全十一学級に空調機(エアコン)を設置していただき、平成二十九年には校庭や校内のトイレは温水・自動洗浄化され、快適な環境で学習することができている。

 

二学校経営方針

  学校教育目標「助け合う子 進んで学ぶ子元気な子」を受けて、目指す学校像は「児童一人一人の良さを認め、大切にし、伸ばす学校」を掲げ、○自ら学ぶ意欲を育む学校、○あいさつの通い合う学校、○安全で安心できる学校、○「正直」「真面目」な子供達を認める学校、○歌声の響きあう学校を目指している。

 目指す児童像は「確かな学力(知)豊かな心(徳)健やかな身体(体)」をバランスよく育んでいくことを掲げ、○目標に向かって、真面目に、そして誠実に取り組もうとする子、○「思いやり」の心を持ち、やさしく友達に接する子、○自ら学ぶ意欲を持って、一歩一歩努力する子、○自分を励まし、大切にする子、○元気で、健康な身体作りに取り組める子の育成を目指している。

 そして、そのために目指す教師像として「教育は人なり」の大前提のもと、「誠意・創意・謝意・熱意」を常に意識し、○児童に寄り添い、共に歩む教師、○使命感と情熱を持った教師、○学び続ける教師を目指している。「チーム玉小」の組織としては四つの凡事○あいさつと整理整頓、○報告・連絡・相談の徹底、○仕事の見届け、○職場の規律を守り、人間性を認めることをを徹底し、「準備は悲観的に、実行は楽観的に」を合言葉にして、児童の健やかな成長のために一丸となって邁進している。

 

三特色ある教育活動@川の学習(楽習)

*   本校では、毎年二年生の生活科と四年生の総合的な学習の時間で学校の目の前を流れる都幾川についての体験学習を実施している。また、五月には全校遠足として縦割り班で都幾川の堤防を歩き、川の広場にて様々なゲームや遊びを実施している。

 四年生は、総合的な学習の時間の中で「埼玉県立川の博物館」学芸員の指導をいただき、学校下の都幾川の河原で石や砂、植物、昆虫について調べ、水中生物の捕獲、水質検査の実施を通して身近な川である「都幾川」について、専門的な知識も深め、身近な環境を考える学習を行っている。また、二年生は、「川の楽習」と称して、エビや水生昆虫、小魚を捕って観察したり、きれいな色の石を集めたりして河原で楽しみながら学習を行っている。以上の取組を通して子供達は、体験を通した学習、実物にふれる学習を行うことで心に残る学びを推進することができている。また、身近な自然について専門的な知識・技術を備えた指導者から直接指導を受けることにより、子供達は新鮮な驚きと感動のある学習ができている。さらには故郷の川を大切にしようとする意識が育っている。特に、都幾川に親しむことで郷土を流れる清流都幾川を誇りに思い、大切にしようとする郷土愛を育むことができている。

 このようにして本校では全校児童が都幾川の自然を愛し、郷土の人達と同じように守っていこうとする心情を育んでいる。

 特色ある教育活動A体力向上(業前運動サーキットトレーニング)

  本校の児童の体力については、新体力テストの結果からここ数年、男女共に向上している。今年度の結果を見ると男子四十八項目中県平均を超えた種目は三十九種目で81.2%、女子も同比率で、全体としても九十六項目中七十八項目が超えており、81.2%である。課題は「上体起し」と「立ち幅跳び」だけであとの種目はほとんどが県平均を超えている。学校のグラウンドが立地上、校舎から三分ほど離れた低地にあり、休み時間に十分な時間を確保できないという難点があるがそれを補うために「体力貯金通帳」と「業前サーキットトレーニング」を実施している。

   体力貯金通帳」は、全学年で毎日、ブリッジや腕立て伏せ、カエルの逆立ち、倒立等の種目を家庭で行い、記録をしていくものである。児童は毎日、真面目に実施し、この通帳を担任に提出している。普段の体育の授業でも実施し、運動会では五・六年生が組体操の中で保護者に披露している。日々の継続と発表の場を得て、子供達の頑張りに大きな拍手をいただいている。

  「業前サーキットトレーニング」は、縦割り班を利用して十一種目(うんてい、登り棒、長縄、しっぽ取りゲーム、竹馬、フラフープ、一輪車、立ち幅跳び、鉄棒、登り棒、ロケット・シャトル投げ(遠投)、長縄)をローテーションで実施している。一年生から六年生までの縦割り班なので、六年生がリーダーとなって教えているが中には低学年児童の方が上手な種目もあり、上級学年の意欲向上にもつながっている。何より、楽しく、いろいろな種目を行うことで、様々な体力の向上が図られている。体力向上は個々の意識や個人差の問題もあるが、この二つの取組が効果をあげているのは確かである。

  特色ある教育活動B縦割り班(わらべえ)

  本校児童は、現在二百十五名で、クラスも一・二・六年が二学級、他は単学級である。冒頭でも紹介したが、保育園、中学校と、持ち上がる児童がほとんどであり、横のつながりは深まるが、人間関係が固定化しやすいという課題もある。そこで、本校では、毎年四月に一年生から六年生までの縦割り班を構成し、「わらべえ班」という名称で縦割り活動を行っている。

   活動内容としては定例として毎週第二火曜日のロング昼休みに縦割り遊びを実施している。学期の最初に六年生のリーダーを中心に話し合って遊びの内容を計画している。

  また、毎年五月には、全校遠足としてわらべえ班で学校下を流れる都幾川の堤防をめぐる徒歩遠足を行っている。事前に計画を立て、遊びや目標達成に向けて話し合いながら親睦を深め、当日は六年生がリーダーシップを発揮し、協力して楽しく活動し、絆を深めている。

 年に一回、学校公開日に行う玉小まつりにおいてもわらべえ班の中で異学年ペアを作り、一緒に各クラスの広場を回る計画を立てて、活動を共にしている。横の深まりだけでなく、異年齢集団での縦の交流は、本校児童にとって特別な意味を持っている。六年生の誰もがリーダーとなり、学校を支えているといった意識を持つことができ、大きな自信と思い出を持って卒業していくことができる。何よりも、本校の良き伝統として次の学年が意識を持てる事、そして何よりもひとへのやさしさ、思いやりの心を育むことができている。

四おわりに

   自然と歴史に恵まれた温かい町「ときがわ」、子供達には普段見慣れた風景ではあるかもしれないが、季節を感じる心、郷土の自然の美しさを誇らしく思えるように、そして、ときがわ町で生まれてよかった、また、この地に住んでよかったと思えるように、郷土を愛する心を私達大人が教えていかなければいけないと思っている。玉川小学校は、歴史と伝統を引き継ぐ郷土の重要な学校である。そこに通う子供達は郷土の宝物である。私達教職員は、玉川小学校に勤務している責務を強く感じている。郷土の未来を託す人材をしっかりと世に送り出さなければならない。玉川小学校での六年間を決して無駄にすることなく、卒業する子供達に胸を張って玉川小学校での六年間を自分の財産として誇らしく思えるように保護者、地域の方々の協力を得て、連携し、日々の教育実践を続けていく覚悟である。

                                         (文責 校長 山田 稔)